「とにかく何かをしなければ! 」
一か月前に突然の休校措置が決まった時、これは自宅で過ごす時間が増える生徒達が、家庭で生活経験をつみ生活面で自立していく絶好の機会になるかもしれない! そう思い、家庭科担当の自分に出来る事を必死で考えた事を思い出します。
事態がこんなに悪化して、社会が、これほど閉鎖される事になるなど考えもしないで…。
生徒が一人で作れる火や包丁を使わない料理の動画配信?
マスクの作り方の動画配信?
洗濯の仕方や掃除の仕方のヒント?
家庭科の領域は衣食住を扱う科目。この機会に、それぞれの家で生徒達の自立を助けるためのに、何かの働きかけがきっと出来るはずと意気込んでいました。
親が仕事で不在の間の料理は、火を使わせたくないはずだと「火を使わない料理」の本を図書館で借り、マスクを作るには材料が必要と、学校にストックしていた木綿を持ち帰った日が昨日の事のように感じます。
まずは、年度末の仕事を終わらせる事に集中。ところが、その直後からいろんな事情で家族のトラブルへの対応に追われ続ける日々が始まりました…。
やりたい事、やらなければと思う事はたくさんあるのに何も出来ない…。
焦る毎日が続きました。 ”私”以外のいろんな人が、どんどん役に立つ情報や動画をアップしていく。自分の考えていた事が他の人によってよりスマートに現実化していくのを眺めているだけの日々でした…。
ようやくトラブルの解決の糸口が見えて来た今。 今さらだけど「家庭科講師の自分に何か出来る事は残されている? 」と自分に問いかけ続けています。
答えは、まだ、見つからない。
でも、明らかな事はただ一つ。社会は大きく変化していく! WEB授業やオンライン配信、動画配信の定着と拡がり。それが当たり前の社会の到来! その動画と組み合わせたワークシートやテキストの提供。そのコンテンツが内容次第で、様々な人が興味や関心を示し、多様なムーブメントが展開されるとイメージしています。
そんな時代の中で、やり方次第では、家庭科は時代をサバイブするためのライフスキルの提供が出来る大事な科目となるかもしれません。
今のように、ただ衣食住の知識や技術の伝えていくだけでなく、保育や高齢者などの異世代との共生のための現状や課題の認識、家族間での円滑なコミュニケーションの取り方のヒント、時間管理、少し古いけどワークライフバランス、パーソナルファイナンスの方法など、とてつもなく広い暮らしに関わる範囲を網羅しながら生活感性を磨いていくサポートが出来ると考えています。
中でも最も大切なのはライフプランニング。
ただ、夢を描くだけでなく、その実現に向けて目標をたて時間やお金のマネージメントをしていく事。
さらに、人生100年時代に備え、仕事もハイブリットに移行していくかもしれません。メインの仕事と個人でやる副業をバランスをとりながらやることになるなら、セルフブランディングも必要となります。今の給付金配布の流れで、もしもベレシックインカムのシステムが導入されたら、今とは全く別の生き方が可能となります。
そんな中身は、時間が足りなさすぎて学校では出来ませんが、学校の枠を越えた動画などの配信では可能かもしれません。
実は多様でとても役立つ生活情報を網羅している家庭科の教科書。でも、どれだけスゴい情報が載っていても誰も目を通さない。
では、そこに詰まった知識にどう興味を持ってもらえるように工夫するか? 家庭科で扱う実習関連でスキルを身につける事にどう面白さを感じてもらえるか?
そのアプローチを探すために、これまで、長い長い時間と労力を使い、自己啓発系のセミナージプシーと成り果てた時期もありました。
最も使いこなせるようになったスキルはマインドマップ。
コーチングは家族を含めた人間関係の構築のベースになりました。
フォトリーディングやレゾナンスリーディングでは”本を読む”という概念が根底から覆えり、本や雑誌から欲しい情報を使える形で取り出すというテクニックを身に付ける事が出来ました。
TOCefのセミナーではクリティカルシンキングなどの具体的な手順を学ぶ事が出来、今後の授業の広がりへの期待が持てました。
FPでお金にまつわる事を知り、消費生活アドバイザー関連のセミナーでは最新の消費者情報を入手しています。
さあ、準備は万端!(のはずだけど。。。)
これらの自分が体験し、身に着けたいろいろなスキルや知識をどう実務的な家庭科の知恵や技と結び付けて、どんな形式で発信していけばいいだろう?
考えてばかりで何も実行できないまま時間だけが過ぎてしまいました。社会は自粛の嵐で、人が集まる機会はほとんどなくなってしまいました。
そんな状況ですが、とにかくどんな事でも出来る事を少しずつ淡々とやって行ければと思います。
それにしても、4月の新年度は通常通りに開始されるのだろうか?
そして授業の形式はどうなるのでしょう? デバイスを使った遠隔での講義になる可能性を考えて、 オンライン対応の授業計画も必要かもしれません。もしそうなら、内容を家庭向きにアレンジして ホームスクーリングを実践している方達への
家庭科のサポートも出来るかもしれないと
考えています。
今を大切に生きる。生き抜く。生き切る事。
これが昨年末亡くなった父から受け継いだ心の持ち方です。
家庭科の可能性を信じて、発信して行く事がお読みいただく方にとって、少しでも役に立つものであってもらえたらと願っています。
〈終わり〉
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