「ナラティブ」という言葉、皆さんは聞いたことがありますか?
「物語」とか「自分語り」などの意味で耳にされたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
「え、物語はストーリーじゃないの?」そう思われた方もいたはず。
でも、「ナラティブ」は誰かが語る終わりのあるお話ではなく、自分自身の言葉で自分の思いやこだわり、世界観などを語ることと私は考えています。
この「ナラティブ」強く意識するようになったのは、昨年2024年一年間、京都芸術大学の完全オンラインの食文化デザインコースの課題と取り組んでいた時でした。
昨年は、アイデアの相談から、情報の収集、文章や課題となっている作品のレイアウト、また、課題の条件で分からない言葉のリサーチなど、ありとあらゆることを生成AIをいくつも駆使して取り組みました。
その結果、卒業に必要な単位数62の内、卒業制作8単位をのぞき、1年間で48単位まで取ることが出来たのです!
「え、自慢??」いやいや、そんな話ではありません。もう、この時代、学びに関わる手間が必要だった部分の大半を生成AIが受け持ってくれるようになったということをお伝えしたいのです。
この先、生成AIがもっともっと進化したら、
「一体、人間は何をすればいいのだろう?
人間に残されている人間ができることは何だろう?」そんなことを真剣に考えるようになりました。
その中で出て来た答えは、次のようなものです。
① 体験や体感を通した5感の研ぎ澄まし
② アイデアの発想やアイデア同士を人間らしくつなぎ創造すること
③ 自然とのふれあい
④ 自分の思いやこだわりを自分の言葉で
言語化し語ること
⑤ 言語化したことを自分らしく表現して
つたえていくこと
ここまで、考えが及んだ時、それまでの人生で出会った「ナラティブ」を思い出しました。
これは、早期退職した後に、セカンドキャリアで迷走し、悩み、不安を抱え、それでもそれに気づかず、あがいていた時に、「自分の心の課題を解決するためのカウンセリング」を勧められるまでに追い込まれて落ち込んでいた時に出会った心理分析のツールで出会ったものでした。
幼い頃から、今に至るまでのターニングポイントになった時期について、振り返り、その時々の自分の気持ちや、なぜ、そういう気持ちになったかの背景、また、そこに影響した社会背景など、いろいろなことを複合的に観察・分析していくものです。
このとき、自分の中のこだわりや、家族についての誤解、自分の長所・短所、考え方のくせなど、本当にいろいろなものが明らかになって来て、「ナラティブ」の力を痛感しました。
その後、次は大学の課題で「ナラティブ」と出会うことになります。
大学では、今の時代の流れの中で意識しなければならない「サスティナブル/持続可能性」をベースに、食材や料理、食体験に焦点をあてながら、新しいアイデアを提案していかなければなりませんでした。
その時、必ず求められた条件が、誰が見ても分かるものであること。そして、その提案が見た人の心に響かなければ「絵に描いた餅」になってしまうのです。そう、そこには、何らかのストーリーが求められたのです。
でも、「ストーリー」には終わりがあります。
大学の課題で求められるのは「持続可能であること」であれば、作成する課題の内容自体が何かを伝える「ナラティブ」であることが求められていると感じました。
この経験を通して、生成AIを含め、テクノロジーがすさまじい勢いで進化していく社会の中で、人が自分らしい人生を生きていく力の一つとして「ナラティブ」は欠かせないものではないかと考えるようになりました。
ナラティブは、医療などの現場から、企業のマーケティングまで幅広く使われているのが現状ですが、みらい家庭科ラボでは、「人が生きるために身に付けてほしい力」と考え、ナラティブを意識し、暮らしに取り入れていくことが出来るような場づくりを考えています。
残念ながら、大学は卒業を待たず、諸事情で退学をしました。
でも今は、「みらい家庭科ラボ」のプロジェクトである「OTONAの家庭科室」の一つの柱としての活動【ナラティブのある暮らし】を通して、「ナラティブ」の探究をしながら、ご縁をいただける皆様とイベントを通して「ナラティブ」を体験・体感し、心豊かな暮らしの実現にお役だていたければ心から思っています。
これまで「みらい家庭科ラボ」がお役にたてればと思っていた”家庭科の先生”から範囲を広げ、「日本の農業・食・語りなどを通した心豊かな暮らしを次の世代につなげること」に関心が高い方々とつながっていただければと心から願っております。
よろしければ、ライングループにご参加いただけるとイベント情報などをお届け出来ます。
また、「ナラティブのある暮らし」のWEBサイトはこちらからご覧いただけます。
https://second-life-shift-coordinate.my.canva.site/web
これから、ナラティブについて、いろいろな形での情報をシェアさせていただければと思っています。どうぞよろしくお願い致します。
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