2025年7月に開催された国立環境研究所 気候変動適応センターのオンラインイベントにて、気候変動の「現実」と「備え」について学ぶ機会がありました。ここではその内容を、家庭科教育と暮らしの視点からまとめてご紹介します。
◆ 地球は今、「地球沸騰化時代」
国連は「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と表明しました。2024年は、世界・日本ともに観測史上最も暑い年となり、猛暑・豪雨・干ばつといった極端な気象が日常になりつつあります。
◆ 暮らしへの影響はすでに始まっている
気候変動は、すでに私たちの生活に大きな影響を及ぼしています。
- 熱中症搬送者が急増:2024年には約9万7千人が搬送され、死者も過去最多に。
- 食の安全と安定が脅かされる:コメの品質低下、果物や野菜の生育不良、畜産への悪影響。
- 生態系の異変:サンゴの白化、魚類の分布変化など。
これらは決して「遠い未来の話」ではありません。
◆ 家庭科で育む“適応力”
「適応(Adaptation)」とは、すでに始まっている・これから確実に起こる気候変動の影響に備え、暮らしを見直していく行動のことです。
家庭科には、暮らしを整える知恵と力を育む役割があります。たとえば:
①【衣】暑さに適した衣生活を考える
- 速乾・通気性の高い素材の活用
- クールビズ・レイヤリングなどの工夫
②【食】地球と体にやさしい食の選択
- 地産地消や旬の食材を使った調理
- 食品ロスを減らす知識と行動
③【住】夏を快適に過ごす住まい方
- 遮熱・通風・断熱の工夫
- エアコン依存を減らす自然の力の活用
④【防災・健康管理】「もしも」の備え
- 防災・減災の家庭内マップ作り
- 熱中症対策や避難準備の授業展開
これらすべてが「気候変動への適応」なのです。
◆ A-PLATで学べる!身近な適応アクション
環境省と国立環境研究所が運営する「A-PLAT(適応情報プラットフォーム)」では、地域や分野ごとの適応事例が多数紹介されています。
https://adaptation-platform.nies.go.jp/everyone/index.html
https://adaptation-platform.nies.go.jp/private_sector/nature-positive/index.html
https://www.nies.go.jp/kanko/news/40/40-3/40-3-04.html
家庭科の授業での活用はもちろん、地域活動や市民講座にもぴったりです。
◆ 中高生・若者世代こそ「適応の担い手」
気候変動に立ち向かう力は、暮らしを学ぶ家庭科からこそ育ちます。特に中高生世代には、「自分ごと」として考える機会が重要です。
書籍『ADDAPTATIO ~気候危機をサバイバルするための100の戦略~』では、誰もが自分の立場から取り組める100の適応策が紹介されています。若者世代が未来の担い手として、安心・安全な暮らしをデザインする力を家庭科から育てましょう。
書籍のアマゾンのリンクはこちらです。
◆ 私たちにできることから、はじめよう
「適応」は特別な行動ではありません。毎日の小さな選択が、未来を守る力になります。
家庭科の授業や地域活動の中で、「気候変動」と「暮らし」をつなぎなおし、次の世代に伝えるきっかけをつくっていきましょう。
📚 参考リンク:
https://adaptation-platform.nies.go.jp
https://www.yamakei.co.jp/news/release/20240416.html
https://adaptation-platform.nies.go.jp/everyone/campaign/index.html
みらい家庭科ラボでは、今後、機会があれば、今回の記事で紹介させていただいた
「ADDAPTATION]ならびに、同じシリーズの「ドローダウン」「リジェネレーション」などの書籍をテーマにした教職員や教育支援関係の方々対象のブックタイムなどのオンラインイベントの開催を検討しております。
Peatixグループからご案内予定ですので、よろしければ下記のグループ「放課後家庭科室」のフォローをお願いします。
https://home-economics-room-after-school.peatix.com
皆様とイベントなどでお会い出来ますこと、楽しみにしております。
(終わり)